装飾音
笛の演奏中にピョロロ~と入る、アレです。国や文化や笛の種類によって装飾音の入れ方に特徴があって、装飾音の違いが笛の個性になっています。「カレー粉さえ入っていればナマ煮えでもカレーだ」と言い張るなら、装飾音を入れれば取りあえずインディアンフルートっぽく聞こえます。
インディアンフルートらしい装飾音
これだけ覚えてください!!
ピーと音を出しながら左人差指を素速く開けて閉じます。1回、あるいは2回続けて、あるいは3回続けて、できるだけ素速くです。端から見ていると人差指はほとんど上下しません、すきまがあいたと思ったらすぐにふさぐ感じです。そしてこのとき同時に舌で「ふるっ」「ふるるっ」と息を切ってください。指の動きと舌の動きでフルートの音がボコボコになり、強烈な装飾音になります。
この左人差指による装飾音は、どの音を出していても関係なく常に左人差指で行います。
どこに装飾音を入れるか
一つの音に関して言うなら、音の鳴り始めに入れるか、途中に入れるか、鳴り終わりに入れるかです。
- 鳴り始めに入れる
- 音の鳴り始めからわずかに遅れてピョロロ~と入れます。「わずかに遅れて」というのは0.5秒以上の1秒未満の…どれくらいでしょうか、短いような長いような。感覚としては、聴いている人が「あれっ、装飾音を入れないのかな?」と思った瞬間にピョロロ~と裏切る感じです。と言ってもそんなに正確な話ではありませんし、失敗して誰かが困るわけでもありません。そのように意識してください、程度のことです。
- 途中に入れる
- 特に長い音の場合、「あー飽きてきたなあ、間が持たないなあ」という感じにピョロッ、ピョロロッと不規則に入れます。
- 鳴り終わりに入れる
- これは今までの説明と少し違います。音が鳴り終わる寸前に全部の指穴をいっせいにパッとあけます。「ピー…ョッ」という感じになります。指穴を開けるタイミングで息を強く吹いたりすると台無しになります。息はあくまですっと切って、音が消える寸前に指だけ動かします。この装飾音はかなり珍しい、インディアンフルートらしい装飾音です。
また曲全体を見渡すと、曲は音程が上がったり下がったりしますが、この、音程が上がっているときは装飾音を入れません。音程が下がっているときに装飾音を入れます、長く伸ばす音があれば特にそうです。ただし装飾音を入れることができる音の全部に装飾音を入れると訳が分からなくなります。要所だけ入れてください。それはどこ?例えば音程が上がっていって、下がった瞬間の音にはほぼ確実に装飾音を入れます。……CDを聴いて身につけるしかないと思います。2曲だけでいいから完璧にマネられるようになってください。そうすれば自分なりのスタイルが確立されると思います。大変そうですか?逆に、この程度でインディアンフルートはモノになるんですよ。