古代アナサジフルートについて

歴史

アナサジフルートは北米アリゾナ州のアナサジ洞窟遺跡から出土した1400年前の笛です。本物はもちろん博物館に納められていて、当ショップで販売しているのはレプリカです。

北アメリカ大陸に昔から住んでる人々、つまり北アメリカインディアンたちが「昔から住んでいる人々」と呼ぶ先住民族がいました。

今はもうどこかへ消えてしまって、渓谷の壁画や泥レンガの遺跡だけが残っています。写真はクリフパレスの遺跡。
アナサジフルートはこれよりさらに昔の、竪穴式住居の時代の笛です!

1931年に調査団がそれらの遺跡を発掘していたとき、洞窟で4本の笛を発見しました。トネリコバノカエデの木管に指穴をあけただけの素朴な縦笛は、先住民族―アナサジ―の遺跡で見つかったことから、『アナサジフルート』と呼ばれるようになりました。

笛を吹く精霊、ココペリ

アナサジフルートと同時代の壁画に、楽しそうに笛を吹く男の姿があります。『ココペリ』と呼ばれている彼は、笛を吹いて春を呼び、雨を降らせて山野に緑を芽吹かせる精霊だと信じられています。

このココペリの吹いている笛がアナサジフルートだろうと言われています。

アナサジフルートについて

アナサジフルートは木管に指穴を開けただけの素朴な縦笛です。全長は77cmと、かなりの長尺でコンサートフルート(Cキー)よりも更に低いG#キーです。小柄な人では指が届かないでしょう。

吹口は尺八と同じように、管の端を切りおとしただけの簡単な構造です。尺八と同じように鳴らします。だから鳴らせるようになるにはかなりの練習が必要です。

指穴は笛の表に6つ、しかし2オクターブ目は音階の半分を倍音―息を鋭く吹いて裏がえった音―で鳴らします。倍音はスピーカーのハウリングと同じ性質の音なので、ものすごく高い音が鳴っているように耳を錯覚させます。

この長尺を活かした豊かな低音と倍音を使った華やかな高音が、アナサジフルートの魅力といえるでしょう。

アナサジフルートの鳴らし方、吹き方

アナサジフルートの熱心な伝道者、スコット・オーガストさんの手によるガイドブックです。
» 詳細はこちらのカタログページで

アナサジフルートの鳴らし方や吹き方について、当ショップのブログに連載しています。
演奏のむつかしい楽器です、ぼちぼちのペースでおつきあいください。
» アナサジフルートの吹き方にはこちら