マウンテン・ダルシマー
じゃんじゃんかき鳴らしながらメロディだけ弾けばOK。
初心者もマスターしやすい、北アメリカの民族楽器です。
まったくギターを弾けない私が2日練習して弾きました↓
品番 | 品名 | 価格 |
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TKOMDL010 | ホラ楽器製品 | |
TKOMDL001 | TKO社製品 | |
TKOMDL101 | カポ | |
TKOMDL201 | 交換弦(DAA) | |
TKOMDL202 | 交換弦(DAD) | |
CRTNR005 | 電子チューナー KORG Pitchclip |
(他の楽器やCDも買うと1,400円引き)
消費税10%ホラ楽器のマウンテンダルシマー
てみる屋では元々は、北米TKO社のマウンテンダルシマーを販売していました。しかしコロナ流行時にマウンテンダルシマーの生産を中止して…そのまま生産終了してしまいました。
TKO社の代わりにマウンテンダルシマーを卸売りしてくれるメーカーを探していて、見つけたのがルーマニアのホラ楽器です。バイオリンやギターを製作しているメーカーで、マンドリンやバラライカなど民族楽器も製作しています。
- 弦の本数: 3本(メロディ弦は2本セット)
- 調: D(ピアノのレの鍵から始めてドレミファソラシド)
- 音域: 2オクターブ半
- サイズ: 87.2cm×19.5cm×7.0cm
- 重量: 550g
- 付属品: キャリングバッグ、ピック、演奏ガイド(私がTKO社製品の演奏ガイドを翻訳したもの。A4用紙にプリント)
フレットをドレミファソラシドに並べました
ぱっと見てフレット――指で押さえて音を変えるところの並びがヘンですね?これは、フレットをドレミファソラシドに並べたから、こうなったのです。
逆にギターやウクレレのフレットが、なぜきれいに等間隔に並んでいるかというと、半音も含めてフレットを並べているからです。
あれは見た目は美しいのですが…例えるなら、ピアノの白鍵も黒鍵もぜんぶ白鍵にして、ずらっと一列に並べたようなものです。何か曲を弾こうとしたとき、使わない音が半数近く混ざってしまっているので、その中からドレミファソラシドのフレットを探しだして、正しく押さえなければならない。初心者だとどうしても間違えます、演奏しにくいです。
どうせドレミファソラシドしか弾かないんだから、よけいな半音はいらない。フレットはドレミファソラシドだけあればいい。フレットを順に押さえていくと、そのままドレミファソラシド。なるほどそれなら初心者にも分かりやすいです、間違えにくいですね。(このドレミファソラシドだけ用意するという設計思想は、中世の古楽器や素朴な民族楽器でよく見かけます。)
アメリカ生まれの民族楽器
マウンテン・ダルシマーは19世紀初頭に、アメリカ合衆国の秘境アパラチア山脈に入植した移民たちによって演奏されていました。
しかしながら彼らの母国であるアイルランドやスコットランドには、同じような楽器は見当たりませんし、きちんとした文献も残っていないので、結局、マウンテン・ダルシマーがどこから来たのか、よく分かっていないというのが実情です。
アパラチア山脈の貧乏な移民たちには、バイオリンを買う金も作る道具も技術もありませんでした。そこで細長い箱に弦を張り、太いホチキス針を打ちこんでフレットにして、弦楽器を自作して、音楽を演奏し楽しんでいたようです。
長い間マウンテン・ダルシマーは、一部の人々に細々と伝わる原始的な楽器でしたが。戦後のフォークミュージック・リバイバルのときに全米に紹介され、大勢のミュージシャンが演奏するようになりました。そしてその波に乗ったいくつもの工房やメーカーが、マウンテン・ダルシマーを製作・販売するようになりました。マウンテン・ダルシマーはより大型で外観も音色も美しい、立派な楽器に生まれ変わりました。
大正琴みたい
マウンテン・ダルシマーはテーブルや膝の上に乗せて、ピアノの鍵盤を押さえるように、弦を上から指で押さえて弾きます…なんだか大正琴みたいですね。
そして弦の押さえる位置を変えるときは、いちいち弦を押さえ直すのでなく、弦を押さえたまま指を左右に滑らせます。ですからギターやウクレレを演奏する人だと、少し勝手が違うかもしれません。
弦を押さえたまま指を左右に滑らせるので、音は途切れない。にゅるんとした音になります。これがマウンテン・ダルシマー独特の雰囲気を醸してくれます。
弾くのはたった1本の弦だけ
マウンテン・ダルシマーでちょっと驚くのは、指で押さえて演奏するのは、いちばん手前の2本セットになった弦だけだってことです。
メロディを演奏するのに、たった1本の弦しか弾きません。(フレットを数えてみると…これで2オクターブ半ありましたから、たいていの民謡やポピュラーソングなら弾けそうです。)
では残りの2本は?
オマケで付いてる伴奏用の弦です。メロディに合わせてじゃんじゃんといい感じに弾いて伴奏してください。これではいつも同じ伴奏★ になってしまいますが。その少々強引な伴奏がまた、マウンテン・ダルシマーらしい雰囲気を醸してくれます。
マウンテン・ダルシマーの音階↓
★ いつも同じ伴奏
この「ドローン」と呼ばれる伴奏スタイルは、中世の頃の音楽に見られる伴奏スタイルです。当時の音楽は原始的で、伴奏といえば、テンポよく同じ音をかき鳴らしておけばOK、みたいなものでした。これなら誰だって学校の音楽の成績は「優」でしょう。昔はよかった…
初心者がマスターしやすい楽器
YouTubeを探すと本当に、全部の弦をまとめてかき鳴らしながら、メロディだけ演奏するという、マウンテン・ダルシマーの動画を普通に見かけます。立派なのは勢いだけ?でもみんなさん堂々としたものです。
これがマウンテン・ダルシマーの古典的な演奏スタイルです。
ノーターという棒きれでぐいぐい弦を押さえて、取りあえずメロディだけ弾く。伴奏はメロディに合わせて鳴らしておけばOK。ですからマウンテン・ダルシマーは、かなりマスターしやすい弦楽器ですよ。ギターに挫折した人も、マウンテン・ダルシマーなら弾けるでしょう。
他のYouTube動画では、上達者が伴奏弦まで指で押さえながら、巧みに演奏しているのを見かけます。現代風というか、マウンテン・ダルシマーはこんな弾き方もできるのですね。最初は伝統的な演奏スタイルに取り組んで、慣れてきたら現代風の演奏スタイルにも挑戦するとよいです。
弾けない曲がある
マウンテン・ダルシマーのフレットはドレミファソラシドになっています。ですから初心者に分かりやすい反面、臨時半音や転調に対応できません。途中で一箇所だけ半音が出てくるとか、転調して雰囲気を変えるような曲が弾けません。マウンテン・ダルシマーでは弾けない曲があります。えっ?この曲が?という曲が弾けなかったりします。
もちろん、弾ける曲だってたくさんあります。
マウンテン・ダルシマーが上手になって、こんなじゃ足りない!となったら、そこで改めてギターやウクレレに挑戦してみてはいかがですか。
カポについて
カポは、マウンテン・ダルシマーの弦を押さえっぱなしにする道具です。写真のように2番目のフレットを押さえて、外れないように横のネジを締めて止めます。
カポを取り付けると、マウンテン・ダルシマーのドレミファの並びが変わります。伴奏の雰囲気も変わります。カポは、暗い、悲しい雰囲気の曲を弾くときに使います。
カポを付けたときの音階↓
カポを付けて演奏『An Emigrant's Daughter』↓
製作: ホラ楽器 (ルーマニア)