練習用グレート・ハイランド・バグパイプ
いっぺん触ってみたかった!
民族楽器ベストテンに殿堂入りのあの楽器がお手頃価格で!
(他の楽器やCDも買うと1,400円引き)
» バグパイプの使い方をブログで紹介!
- 指穴の数: 8
- キー: Bb
- 音域:1オクターブ+1音
- 材質: プラスチック、合成繊維、ビニール、etc…
- サイズ: バッグに収めるとバイオリンくらいの大きさ
- 重量: バッグ込みで2.2Kg
- 付属品: 収納バッグ
練習用の製品
学生向けの練習用のグレート・ハイランド・バグパイプ(Great Highland Bagpipes)です。材料費と工賃を徹底的に省いてプライスダウンしました。手に持った感触と見かけはアレですが……練習用ですから、音色も操作性も本物と同様です。「高価な本物は手が出ないけれど、ちょっとだけ触ってみたい」という人向けです。
そもそもバグパイプとは
バグパイプはその名のとおり、バッグ(革袋)にリード笛を取りつけた楽器です。
バッグに息を吹きこみパンパンに膨らませて、脇で締めつけ空気を絞りだして笛を鳴らします。バッグが萎んできたら、息を吹きこんでまたパンパンにします。
バッグにはメロディーを演奏する笛(チャンター管)のほかに、ずっと同じ音を鳴らす伴奏管(ドローン管)が数本ついています。そのためバグパイプは一台だけでも厚みのあるサウンドを奏でます。
バグパイプはバッグの空気を絞りだして笛を鳴らしますから、笛の音は鳴りだしたら止まりません。ふつうの笛のように息を切って音を区切るということができないので、グレースノートという、指を素早く動かす装飾音で音を区切ります。
ブォオオオ……と鳴りつづけるドローン管と、途切れることなくニョロニョロとメロディーを奏でるチャンター管の音が、聞けば「あああれか」と誰もが思いあたるバグパイプの個性になっています。
アコーディオンの古い先祖だとか
バグパイプは学術的には笛族に分類されますが、操作感覚はむしろアコーディオンに近いです。バグパイプはふつうの笛のように、吹いて鳴らす楽器ではありません。バッグの中の空気を絞りだして鳴らすものです。息を吹きこむのは、萎んだバッグを再び膨らませるためです。
曲を演奏する指の動きとまったく無関係に、バッグを締めつけたり息を吹きこんだりと、なかなか忙しくも愉快な操作感覚は、実際に体験したことのない人にはちょっと説明しにくいです。まあ一度やってみてください。
ふつうの吹奏楽器では常識であるタンギングがまったく効かないなど、ずいぶん勝手の違う楽器です。バグパイプを演奏すれば「ああ……世界は広いな……」と実感できるに違いありません。
バグパイプは古い楽器です。現代の吹奏楽器のようなチューニング機構を持っていません。気温湿度に従ってピッチが上下します。夏は高めで、冬は低めに外れます。
ギターなどと合奏するときは、バグパイプのピッチに合わせてあげてください。ピアノなどと合奏するときは……仕方ない、バグパイプがコンサートピッチになるように、演奏会場の気温湿度を調節するしかありません。
この辺の事情はオカリナなど、他の原始的な笛と同じです。
オカリナのプロ演奏者は事前に楽器を暖めておくなど、いろいろ工夫するようです。
日本でいちばん有名なバグパイプ
グレート・ハイランド・バグパイプは、日本で「バグパイプ」と言えばこれを指すというほど、有名なバグパイプです。
スコットランド王国の首都エジンバラ市街を、タータンチェックで正装した大男たちがグレート・ハイランド・バグパイプを吹奏しながら行進する様子を、YouTudeで観ることができます。
3本のドローン管が発する重厚な持続音とチャンター管が奏でる高らかなのに妙にぐんにゃりしたメロディーは、ミノカサゴのような外観と相まって、観る人にインパクトを与えます。ちょっとでも民族楽器に興味のある人なら、一度は触ってみたいと思う楽器のベストワンでしょう。
グレート・ハイランド・バグパイプはあの仰々しい形と音に反して、音域は1オクターブ+1音しかありません。半音も出ません。基本、スコットランド民謡を演奏する専用の楽器です。私は個人的には『アメイジング・グレイス』を演奏していちばん似合う楽器は、グレート・ハイランド・バグパイプだと思ってます。(『アメイジング・グレイス』ってスコットランドの曲でしたっけ?)
ブラバンメンバーが四苦八苦する難易度
グレート・ハイランド・バグパイプは、バグパイプの中でも特に扱いの難しい部類です。演奏を始める前にまず、ドローン管とチャンター管の音をぴったり揃える必要がありますが、初心者はいきなりここで躓きます。いくつもの音がいっぺんに鳴るので電子チューナは役に立たちません。自分の耳だけを信じて音を合わせます。「アマチュアのブラスバンドに所属しています!」という演奏家が四苦八苦する難易度です。「私は音感がいい」と自負する人は、その自信が本物かどうか、ぜひトライしてほしいところです。これができるようになるだけで、そうとう耳が鍛えられるでしょう。
そして、単純に鳴らしつづけることが難しいです。
バッグを締めつける力をちょっとでも緩めるとすぐに音が止まってしまいます。一度に3本のドローン管とチャンター管を鳴らしますから、あっという間に空気を使いはたします。みるみる萎んでいくバッグに頻繁に息を吹きこんで膨らませなければなりません。底に大穴が開いて沈んでいく船に乗って懸命に水を掻きだしてる感じ、と言えば伝わりますか。
ものすごく大きな音量も練習にはマイナスです。
家の中で鳴らすなんてとんでもない。「日本の住宅事情では、グレート・ハイランド・バグパイプは練習場所に困る」という、もっぱらの噂です。どうしても公園や河原など公共の場で練習することになりますが……上手ならともかくピーとかプーとか運指を間違えたりとか、初心者のうちはかなり恥ずかしい思いをするでしょう。しかも大・音・量で!
しっかり練習したいなら、電子式のテクノパイプはイヤホンを繋いでどこでも静かに練習できるので、持っていると重宝します。(私は鞄の中に入れっぱなしにしていて、ファミレスでオーダを待ちながらぴーぴー遊んでます。)
気軽に使える、ちょっと触ってみたい人向け
練習用のグレート・ハイランド・バグパイプは安物ですが、使い勝手は本物と変わりません。「そんなに本格的な物は要らない、ちょっとだけ触ってみたい」という人にお勧めします。
オール合成素材で出来ているぶん、メンテナンスに気を遣わなくていいのが一押しです。演奏した後に放置しても、管が割れたりバッグが腐ったりということがありません。少々の破損はガムテープや接着剤で自分で修理できるでしょう。雑に扱ってもいい、というのはほんとうに気楽です。
カタログの写真は、我ながらずいぶんきれいに撮れていますが。手に取るとプラスチックの安物だとはっきり実感させられます。まるで『大人の科学』の付録みたいです。
とはいえ日本人はバグパイプを見慣れていませんから、これを抱えてパレードに参加したりステージに立っても、遠目には分からないかもです。
でもいつかは木と皮で出来た美しい本物を演奏したいところです。
» バグパイプの使い方をブログで紹介!
日本だからこそ斬新な使い方を
グレート・ハイランド・バグパイプは本来は、スコットランド民謡を演奏する専用の楽器です。しかしながら最近ではロックバンドで使われたりもしています。
ここは日本ですから、伝統に囚われずいろんな斬新な使い方を試すことができる、はず。
運指、音階
グレート・ハイランド・バグパイプの運指は以下のとおりです。音域はたったの1オクターブ+1音で、半音も上手く出せません。古い原始的な楽器です。
※ ミとファの音の、いちばん下の指穴は開けたままでもいいかなと思います。私の耳では開けても塞いでも違いを聞きとれませんでした。いちばん下の指穴を開けっぱなしにすれば、運指はかなり簡単になります。
※ グレート・ハイランド・バグパイプはミクソリディアン音階なので、シの音がシbになります。
メンテナンス
練習用グレート・ハイランド・バグパイプの素材はプラスチック、合成繊維、ビニールなどです。温度湿度の変化や化学変化には強いです。そのへんはむしろ、木と皮で出来た本物よりも耐久性があります。
練習用グレート・ハイランド・バグパイプを演奏すると、息に含まれる水分が結露してバッグの中がびしょびしょになると予想されます。使い終わったらドローン管をバッグから引きぬいて、ばふばふとバッグの中の湿気を追いだすといいかもしれません。バッグはビニールで出来てますから放置しても痛むことはないでしょうが…なんとなく生理的に、うん。もちろん飲食した後はきちんと口をゆすいでから演奏するべきです。
チャンター管とドローン管と、息を吹きこむ管(ブロウ管)をバッグから引きぬき分解することができます。引きぬいたときは、不用意にリードを壊さないように注意してください。リードを壊す原因は、これがほとんどです。
壊れたら自分で応急修理するのがいいと思います。リードは換えパーツを用意してます。弄っててよく壊すので、いくつか予備を持っておくといいです。英国の工房での本格的な修理は当ショップが代行して依頼ますけど。修理代+往復送料を考えたら新しく買う方が安上がりかもです。
» バグパイプの使い方をブログで紹介!
製作:バグパイプス・ガロア(英国)