復刻版リトルミンストレルを販売開始しました
リトルミンストレルは花びらの形を模した小さな愛らしいハープ★1 です。
そもそもは北米のウォルドルフ小学校の音楽教材なのですが、日本ではむしろ大人に人気がありました。子ども向けにはもったいないような美しい造形と立派な音色で、音楽の素養のない人でもすぐに弦楽器の演奏を楽しむことができるという、特殊な音階★2 に調律されていていました。
リトルミンストレルは北米のハープス・オブ・ロリエン工房で製作されていましたが、工房主のラファエル・ワイズマンが高齢のため、2010年の夏に工房を閉めてしまいました。リトルミンストレルはみんなに惜しまれながら生産終了しました。
復刻版リトルミンストレルについて
2011年の春に、ハープ職人のテリー・チャスティンが、ハープス・オブ・ロリエン工房の新しい工房主として就任しました。小型ハープ、リトルミンストレル、キンダーライアーなど、人気の高かった一部のモデルを継承して製作します。
北米から届いたテリーのリトルミンストレル―復刻版リトルミンストレル―を手に取ってみましたが、見事なものです。ラファエルのリトルミンストレルと区別がつきません。外観はもちろん、サウンドホールから覗くと中に見える、工具の切削跡まで同じです。設計図も工具も製作ノウハウも、なにもかも丸ごと完璧に引き継いだようです。安心しました。
復刻版リトルミンストレルの代金総額は 36,100円 に決めました。
品質は同じなのですが、ここ一年の為替レートが下がっているため、以前よりも4,000円ほど安くなりました。
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★1 小さなハープ
日本人も欧米人も、たくさん弦を張った楽器のことを”ハープ”と呼びますが、リトルミンストレルは学術的には”チター”に分類されます。板や箱にたくさんの弦を張った楽器は”チター”です。日本のお琴は”ジャパニーズ・チター”です。
★2 特殊な音階
リトルミンストレルはGキーの五音階に調律されます。ピアノの白鍵のソの音からドレミソラド。適当に弾いてもなんとなく曲っぽく聞こえてくれるという、ありがたい音階です。そのかわり西洋のドレミファソラシドがぜんぶ揃っていませんから、ふつうの曲を弾くことはできません。ふつうの曲を弾きたいときは、リトルミンストレルを西洋のドレミファソラシドに調律して使います。リトルミンストレルでふつうの曲を演奏する方法については、過去の記事をごらんください。
» リトルミンストレルでふつうの曲を演奏する方法