ウィングカンテレ
通販モールで販売している5万円くらいのカンテレは、薄い板を縦横貼り合わせて箱を作ってボディにしています。対して(うちの商品を含む)伝統的なカンテレは、分厚い一枚板を贅沢に彫り抜いてボディを成形します。当然、材料費も人件費もぜんぜん違うわけです。どちらの音色がどうだとは言いませんが、販売価格にはそれぞれ理由があるのだとご理解ください。
森と湖の国フィンランドの新しい楽器、ウィングカンテレです。
11弦カンテレで『北の国から』↓
16弦カンテレを弾いてみました↓
品番 | 品名 | 価格 |
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KNTL012 | 16弦エレキ | |
KNTL011 | 16弦標準 | |
KNTL002 | 11弦エレキ | |
KNTL001 | 11弦標準 | |
KNTL018 | 16弦交換弦 ベース弦のみ4本 |
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KNTL019 | 16弦交換弦 一式16本 |
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KNTL009 | 11弦交換弦 一式11本 |
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CRTNR005 | 電子チューナー KORG Pitchclip |
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(他の楽器やCDも買うと1,400円引き)
» ウィングカンテレの弾き方はこちら
古くて新しいフィンランドの国民楽器
カンテレは北欧フィンランドの伝統楽器です。もともとは小さな木の箱に数本の弦を張っただけの素朴な楽器でした。
数千年の間、カンテレはフィンランドの民謡をぽろんぽろんと伴奏するだけでしたが、20世紀末に西欧のギターと融合して、新しいウィングカンテレが生まれました。
ウィングカンテレはギターのように抱えて、ギターのようにジャンジャンかき鳴らします。カンテレの伝統的な奏法とギターの奏法が合わさった、独特のスタイルで演奏します。
下のYouTube動画は近隣国ラトビアの ”コクル” という同じ仲間の楽器。…このくらい弾けたらさぞかし気持ちいいでしょうねえ。
11弦ウィングカンテレについて
11弦ウィングカンテレの音階↓
- 弦の本数: 11本
- 音域: 1オクターブ+3音
- キー: ニ長調、ハ長調、ヘ長調、ト長調
- 材質: 樺の木
- サイズ: 74.0cm×17.5cm×7.0cm
- 重量: 0.9kg
- 装備: 標準は5つのチューニングスイッチのみ、エレキは更にピックアップが追加
- 付属品: ハードケース、調律ハンドル、ショルダーストラップ、交換弦一本
高音域が独特に残響する音色です、これがカンテレの音です。
とにかくジャンジャン演奏しやすい、弾いていて気持ちいいです。やってみれば分かりますが、右手の位置を把握しやすいので、慣れると指の動きを凝視しなくても演奏できるようになります。楽ちんです。
サイズは小さなスケートボードくらい。ハードケースに収納しても軽いので、気楽に屋外に持ち出して、公園の芝生に座って演奏を楽しんでください。家ではきちんと椅子に座って演奏もしますけど、ベッドに寝転んでラッコのようにカンテレをお腹に置いて弾いたりもします。
音が11音しかないので、ふつうの曲を弾こうとすると「あと1音足りない…」ということがよくあります。どうしても弾きたいなら、その曲が弾けるように調律してください。琉球音階でもアラビア音階でもなんでも。
16弦ウィングカンテレについて
16弦ウイングカンテレの音階↓
- 弦の本数: 伴奏弦4本+メロディー弦12本
- 音域: 1オクターブ+4音
- キー: ニ長調とト長調、ハ長調、ヘ長調
- 材質: 樺の木
- サイズ: 87.8cm×27.0cm×7.0cm
- 重量: 1.4kg
- 装備: 標準は5つのチューニングスイッチのみ、エレキは更にピックアップが追加
- 付属品: ハードケース、調律ハンドル、ショルダーストラップ、交換弦一本
中音域から高音域まで豊かに残響するエレガントな音色です。
正直、ただの板に弦を張っただけなのに、こんなにきれいな音がするものかと不思議に思います。秘密は4本の長い伴奏弦にあります。試しにメロディー弦をジャンと鳴らして、伴奏弦に触れてみてください。びりびり共振しているのがはっきり分かるでしょう。伴奏弦が残響装置として働き、カラオケのエコーのように余韻を響かせているのです。ピアノのペダルを踏みっぱなしにしたのと同じです。
文句なしに美しい音色です。
11弦と比べたら、ほとんどの日本人が「こっちの音の方がきれい」と言うはず。ただし、これがカンテレ本来の魅力かというと…どうでしょうか。私はこれはもうカンテレの音じゃないと思います。実際、分かっているお客さんは「11弦の方がカンテレらしくて好きかな」とのたまいました。まあウィングカンテレ自体が新しく生まれた楽器ですから、これはこれでアリだ、ということで愛してあげてください。本当にきれいな音なんですよ。
いちばん長い4本の弦は伴奏弦ですから、実質は12弦です。民謡や唱歌など多くの歌がこの範囲に収まりますから、ふつうに曲を弾きたいなら、こちらの方が重宝するでしょう。
4本の伴奏弦は…実はあまり使い道がありません。ジャンジャンかき鳴らすとき、間違って弾いてしまわないように気を遣います。(はっきり言って、じゃまです。)
チューニングスイッチについて
ウィングカンテレは、基本はニ長調(Dキー)に調律します。が、少しなら弦を強く張ったり緩めたりしても大丈夫です。弾きたい曲が弾けないときは、ゆっくり時間をかけて、その曲に合わせて弦を調律し直せばいいです。
チューニングスイッチは、ライブステージなど時間に余裕のない場所で、パチンと瞬時にキーを切り替えるための装置です。2つのスイッチを倒すとト長調(Gキー)に切り替わります。3つ倒すとハ長調(Cキー)に、5つ全部倒すとヘ長調(Fキー)に切り替わります。
ピックアップについて
エレキギターのピックアップです。ウィングカンテレの弦の振動を電気的に拾い、アンプ・スピーカーに繋ぎます。周りの雑音が混ざらないので、騒々しい音響の悪い場所でもピュアな音色でライブ演奏できます。私のような自宅録音派にも重宝します。
エレキギター用のエフェクタを間に挟んでギュインギュインいわせることもできます。こうするといろんな音で遊べるので、飽きずに練習できるというメリットもあります。
YouTubeに見るウィングカンテレの演奏
私の演奏です、一生懸命練習しました。
尚、『大きな古時計』はピックアップで拾った音、他の動画はマイクで拾った音です。ピックアップで拾うと小さな音が大きく聞こえるため、音の大きさが揃って聞こえます。(ちょっとまだ人前で演奏するのは自身がない)というときにありがたいかも。良くも悪くもエレキギターのような音になります。
カンテレでサッキヤルヴェン・ポルッカを弾く方法については、下で説明しています。
カンテレでカチューシャを弾く方法はブログで説明しています。
»ミカさんのカンテレでプラウダ高校のカチューシャを弾くには
日本でウィングカンテレの弾き方を勉強するには、今のところYouTubeに投函された演奏動画を参考にするしかない、というのが実情です。 "kantele" "kokle" などのキーワードで検索すると意外に多くの動画がヒットしますから、まあ困りませんよ。
下の動画は、カンテレの音に軽くディストーションをかけて、エレキギターのソロ演奏のような雰囲気を醸しています。演奏中にチューニングスイッチをひねってキュィィーンとチョーキングの真似をしています。
初音ミクのネギ回しで有名なイエヴァン・ポルカもフィンランドの曲です。(動画の2:00あたりから)
そしてさきほど紹介した、森の中で演奏しているラトビアのお姉さんです。ほんとうにすごい演奏です。これはDVDのプロモーションのようですね。ということはどこかでDVDを売っているということ…?このDVDを当ショップでも販売開始しました。演奏する両手の動きがクローズアップされていて非常に資料価値の高い作品です。ぜひお求めください。
» DVDのカタログページはこちら
これはロシアのグースリの演奏。
左手の動きがよく分かります。