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後悔しそうな楽器はメーカーが生産終了する前に入手しておいてください。

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トリプルオカリナ

穴だらけ。コンサートフルートに迫る音域を演奏できるオカリナです。

品番品名価格
STCOC402上級用、茶縞
----円(税,送料込) 販売終了
STCOC401入門用、各色
23,000円(税,送料込)

(「郵便で配達」なら400円引き、他の楽器やCDも買うと1,400円引き)

  • 指穴の数: 20穴
  • キー: アルトC管
  • 音域: A4~G8
  • 材質: 陶器
  • 付属品: 運指表★

★ 運指表のpdfファイルです。 » 無くした人はこれをプリントアウトしてください。

グリーンランドの氷床の下から出土したオーパーツです、と言われたら信じてしまいそうな外観です。こんなものを発掘したら、考古学者は「古代人の指の数は何本!?」と恐れおののくに違いありません。

1オクターブ半の音域しか出せないオカリナの横に高音のオカリナを取りつけ更に高音のオカリナを取りつけて、ついにコンサートフルートに迫る音域を演奏可能にしました。

民謡、ポップスからクラシックまで。これで演奏できない曲はないといっていいでしょう。

少しでも広い音域を求めて

…やりすぎです。このエイリアンの映画に出てくるような外観(むろんエネミーサイドの)から、私はオカリナ演奏者たちが抱えてきた昔年のコンプレックスを感じとります。

ふつうのオカリナの音域は1オクターブ半。
とはいえ民族楽器でいえば音域が1オクターブしかない楽器なんてざらです。うちで売っているインディアンフルートは1オクターブですし、フィンランドのカンテレは5音。それに比べたらりっぱなものです。

けれどもオカリナの生まれたイタリアは、オーストリアと並ぶクラシック音楽の中心地でした。「きちんとした楽器なら3オクターブの音域なんて当たり前」というコンサート楽器たちに囲まれて、わずか1オクターブ半の音域しかないオカリナはさぞ肩身のせまい思いをしてきたはずなのです。二言目には「そんなじゃ何にも演奏できないよねっ」と玩具扱いされたはずなのです。

コンサート楽器と並んでも見劣りしない音域がほしい。
少しでも高い音を出したい、音域を広げたい…恥も外聞もなくたどり着いた、このなりふり構わないデザインは、どこか哀しい。(オカリナの素晴らしさは、ほんとうにこの延長線上にあるのでしょうか?)

一方で、このおよそ美的と言い難いデザインに、私は救済の物語を感じとります。

それは翼がないのに鳥より高く飛びます。
それは鰭がないのに魚より深く泳ぎます。
それは蹄がないのに獣より遠く駆けます。 それはなに?
(答は”人間” ~『治水王の宮殿』より~)

羽根を持たない人間がついに月まで届いたように、100年後にいちばん音域の広い笛はオカリナになっているかもしれません。努力は才能を越える。トリプルオカリナのおよそ美的と言い難いこのデザインは、持たざる者への救済の物語として、私の目の前にあります。

上級用

茶色にトラ縞のチョコレートみたいな外観。

街の楽器店で買えるちょっと良いクラスのアルトオカリナ…それをトリプルにしたものと考えてください。だから品質は悪くないです。

上手なオカリナ演奏者ならこれの演奏動画をYouTubeに投函して年間10,000ヒット狙えます。これより良い品質を求めるなら、財布をはたいてきちんとしたトリプルオカリナを買うしかないです。

安定したピッチで鳴ってくれます。3つのオカリナの音色はきれいにそろっていて、切りかえて吹いたときにも違和感がありません。いちばん低音から高音までしっかり調律されていて、なんの気兼ねもなくスパンと鳴らせます。

……といっても低音側のオカリナの高音域は値段相応に掠れますよやっぱり。本命の素晴らしい音色のオカリナは別に持っていて、音域が足りないときのためにトリプルオカリナが一つあると便利だよね、という感覚で遊んでください。

輪郭のかっちりした音です。硬く吹いたり柔らかく吹いたり、抑揚をつけて吹いたりビブラートをかけたり。カット技やスライド技など、オカリナ以外の笛の技法もきれいにキマってくれます。
なにより吹いてて気持ちいい。

  • 仕上: 茶の縞模様
  • サイズ: 17.5cm×11.9cm×4.5cm
  • 重量: 364g

入門用

入門用のトリプルオカリナにはいくつかのカラーがあります。
先方が適当に箱に詰めて送ってくるので、きちんとすべてのカラーを用意することができません。日によって在庫のオカリナのカラーは異なります。「どうしてもこのカラーがいい!」という方は、その旨を特記してご注文ください。

  • 青…目の醒めるようなスカイブルーです。つやつや。
  • 緑…緑藻の茂る沼に日が当たっているような印象です。これもつやつや。
  • 茶…ブラウンシュガーのようなほろ苦い感じの★1 。やっぱりつやつや。

私の耳では上級用との違い―価格差1万円の違い―を聞き分けられません。しっかり調律されていますし、大中小のオカリナの音の継ぎ目も…目立たない方だと思いますよ。お試しでトリプルオカリナを買ってみようか、という人は無理にプロ用を購入する必要はないかなと思います。

低音側のオカリナの高音域は値段相応に掠れますよやっぱり。
本命の素晴らしい音色のオカリナは別に持っていて、音域が足りないときのためにトリプルオカリナが一つあると便利だよね、という感覚で遊んでください。

コストパフォーマンスだけならオカリナ市場最高★2 です。
「次はアルトオカリナが欲しいな」と考えている方は、ぜひ衝動買いしてください。

★1 ほろ苦い感じの外観
茶色のモデルは釉薬の性質により、表面に貫入(ヒビ模様)が表れています。割れているわけではありません。

★2 オカリナ市場最高のコストパフォーマンス
TNG陶笛のダブルオカリナ・トリプルオカリナは、品質と比べて不釣り合いに低価格です。これは後発メーカーとしてオカリナ市場に参入するための ”釣り価格” だと憶測しています。将来メーカーのブランドが確立されてきたら、徐々に値段を上げていくのか、このモデル自体を廃版にしてしまうのか……憶測ばかりで真相は分かりませんけど。

※ 上は2009年頃の話です。
世間の評価が高まるにつれ、最近はTNG陶笛のトリプルオカリナもいい値段するようになってきました。オカリナ演奏家の宗次郎さんがこのTNG陶笛のオカリナを推しているという噂。安いから初心者向きってことでしょう?と話していたら、いやふつうに良いオカリナなんだと、お客さんから訂正されました。そうなんだ?私はそのへんの相場に疎いです。

  • 仕上: 青、緑、茶の光沢
  • サイズ: 17.5cm×11.9cm×4.5cm
  • 重量: 368g

製作: TNG陶笛(台湾)