口琴(ジューズハープ)
外枠の細い部分を前歯に押しつけて中央の平たいバネを指で弾くと、ぼよよんと不思議な音がします。
JSHRP001: チャンセラー(黒)
キーは出来なり
長さ8.3cm
★ 廉価なわりによい音色。外枠が大きいので持ちやすく演奏していて疲れにくい。力を込めて握ると潰れてバネがガチガチするので気をつけて。
(他の楽器やCDも買うと1,400円引き)
消費税10%世界中でもっとも複雑な音を出す楽器
口琴は人間の口を共鳴胴に使う非常に個性的な楽器です。
Uの字になったフレームを前歯に押し付けて固定し、真ん中に通った平たいバネを弾くと、”びよよん”としか形容しようのない独特の音が鳴ります。
見てのとおり原始的な楽器で、バネはいつも同じ音しかしないのですが。口の中をいろいろ動かすと音色がいろいろ変わります。上手にやるとメロディらしきものを演奏することもできます。口琴はおそらく、世界中でもっとも複雑な音を出す楽器です。
演奏の仕方
口琴の弾き方については、別のブログで説明しています。
» 口琴の弾き方はこちら
紹介したページで少し述べていますが、口琴は国や文化によって演奏スタイルが全く異なっていて、口琴もそれ用に特化しています。私が説明しているのはヨーロッパスタイルで、口琴でメロディを演奏します。他の演奏スタイルについて知りたい方は、他の人に聞いてください。
レガトール社の口琴について
ハンガリーの口琴といえばレガトール社の口琴でしょう。
みんな初代親方の名前にちなんで「ゾルタン口琴」「ゾルタン・シラギーの口琴」と呼びます。今は二代目のアーロン・シラギーが継いでいます。アーロンがんばれ。
既製の角材を曲げて外枠をつくる廉価量産タイプとしては質がよく、ぎらぎらした音がします。反面、初心者はすぐに外枠を握りつぶしてバネをガチガチ言わせてしまいがちで、扱いにデリケートなところがある。
チャンセラーとロココは、レガトール社の入門用モデルです。
見かけが違うだけで、使用感や音色に違いはありません。外観で選んでください。
アルタイのコムスについて
「口琴はどこの国の楽器ですか?」と問われると、答えるのはなかなか難しいです。口琴はユーラシア大陸で広く演奏されています。北欧のノルウェーからインド、バリ島や台湾、日本の北海道にもムックリという竹製の口琴があります。とりわけ中央アジアを駆け回っている騎馬民族は口琴を好んで演奏します。アルタイ共和国のコムスもそのような、騎馬民族の口琴の一つです。
真鍮の丸棒を削って曲げて仕上げた、一見手作りっぽい製品なのですが。手に取って見ると、非常に高い精度で製作されていることに気がつきます。おそらくNC機械で加工していると思う。
音色は専門的な言い方になりますが、非整数倍音が少ない(雑音が少ない)のでメロディを演奏するのに向いています。外枠は真鍮製なのでかなり硬くて、少々強く握っても、歪んでバネに当たってガチガチすることがありません。初心者にお勧めできます。
シュトラウムのムンハルペについて
金属の棒材を曲げて作った口琴と違って、ノルウェーの口琴は鍛冶で叩いて作ります。外枠は石のように硬くて、内側のバネもかなり硬いです。音色は形容しがたいのですが、何というか……密度の濃いもっちりした音色です。
シュトラウム氏は口琴の鍛冶職人として、ノルウェーのウィィペディアに載る位には有名な人だったらしいです。「だった」いうのは、音信不通になってしまったから。数年前に口琴を発注したとき「歳でそろそろ槌を振るうのがつらい」と言ってました。リタイアしたのでしょう。個人的に世界中で一番のお気に入りの口琴だったので…とても残念です。
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