復刻版リトルミンストレル・ハープ
ハーブス・オブ・ロリエン工房は職人老齢のため2022年の8月に閉鎖しました。
花びらの形の愛らしいハープ、シュタイナー小学校の教材です。
童心に帰ってえっちらおっちら弾いてください。
リトルミンストレルを弾いてみました(たしかこんな曲でした…)↓
サリーガーデンを弾いてみました↓
LTMTL101: 交換弦一式
★ リトルミンストレルの交換弦一式。
と言いつつ、実はギターのスチール弦を流用している。
どの弦にどの太さの弦を使っているかは、本体に付属する説明用紙に一覧してある。ここで交換弦一式を購入するのは手っ取り早いが、街の楽器店で一本ずつ集めた方が格安に入手できる。手間か金か。
最近は”コーテッド”という、表面塗装してある非常に錆びにくいハイテク弦なども出回っている。福岡市中央区の楽器店で見かけたが、バラ売りはしていなかったから、これはどこかネットで注文するしかないだろう。
CRTNR005: 電子チューナー KORG Pitchclip
★ 弦楽器を演奏するなら必須のアイテム。
(他の楽器やCDも買うと1,400円引き)
消費税10%- 弦の本数: 11本
- キー: 西洋音階のときはDマイナー、五音階のときはGメジャー
- 音域: 西洋音階のときは1オクターブ+3音、五音階のときは2オクターブ
- 材質: 台は桜、表板はトウヒ
- サイズ: 38.1cm×21.6cm×7.6cm
- 重量: 750g
- 付属品: ハードケース、楽譜集(英語、14曲)、調律ハンドル、説明書
- 付属品の説明書の日本語訳です(pdfファイル)
花びらの形の小さなハープ
リトルミンストレル―小さな吟遊詩人―という小型ハープです。
花びらを倣った愛らしい筐体に11本の弦を張りました。子ども向けの教材楽器なのですが、ギターやライアーと合奏しても遜色ない音質と音量を奏でます。
知っている曲を伴奏つきで演奏
リトルミンストレルは2とおりの遊び方を楽しめます。
1つは西洋音階ドレミファソラシドに調律して、ふつうのハープのように演奏する遊び方。音域が1オクターブちょっとしかないので、どんな曲でもOKというわけにはいきませんが「あの曲ならどうだろう、たしか出だしは…」と思いだしながら、ぽちぽち弦を弾いてみてください。
もともと、ハープは初心者に易しい弦楽器です。
目の前にドレミファソラシドの弦がずらっと並んでいて、ドの弦を弾けばドの音、レの弦を弾けばレの音が鳴ります。「ソーラソミレドドーラー」とドレミで歌える曲なら、人差指一本でもなんとかメロディーが弾けてしまいます。
そしてここが肝心。
リトルミンストレルがなによりも素晴らしいのは、
「メロディーが弾けたらそのまま伴奏まで弾けてしまう」
というところです!
タネあかしすると、伴奏するための簡単なルールがあって、それさえ覚えてしまえば、なんでも伴奏できてしまうのです。
自分の大好きな曲の、メロディーがもし弾けるならそのまま伴奏つきで弾けてしまう…これはほんとうに楽しいですよ。自分で弾いていても、まるで魔法のようです。西洋音楽が数学でできていることを改めて実感させられます。
このページの最初にある試聴サンプルは、そうやって伴奏をつけて弾きました。私が覚えていたのは昔聞いたメロディーだけ、楽譜なんてありません。それでも…ハープを習ったことのない人でも、このくらい弾けます。
» リトルミンストレルを伴奏つきで演奏する方法(ブログ)
五音階で気ままに即興演奏
リトルミンストレルのもう1つの遊び方は、五音階という特殊な音階に調律する方法です。五音階は適当に弾いても弦が互いに響きあうので、リズムに合わせて調子よく弾くだけで曲らしきものが演奏できてしまいます。ぜったいに間違うことがありません。
このページの上の方で紹介しているYouTubeの即興演奏は、左手は「ソーー、ラー、ソーー、ラーー、…」をえんえん繰り返して、右手で適当にいろいろ弾いただけです。途中で眠くなって、目をつぶって弾いていましたが…それでもお聞きのとおり、失敗しません。
実は、こちらが本来の使い方です。
リトルミンストレルは小学校低学年のための教材なのでした。「2本の弦をいっしょに弾いてみよう、どんな感じがするかな。」「こんどは他の弦といっしょに弾いてみよう、さっきとどう違うかな。」のような使い方がもともとです。
もちろんこの素晴らしい楽器は大人の鑑賞にも十分に耐える品質です。
ライブステージでは、童話や詩の朗読の伴奏に威力を発揮するでしょう。ぜったいに弾き間違えることがありませんから、リトルミンストレルの伴奏はそこそこにして、朗読に専念することができます。
舞台劇では小道具として登場人物に持たせることができます。ぜったいに弾き間違えませんから、本来の演技に専念できます。
”復刻版”について
リトルミンストレルの製作者ラファエル・ワイズマンは、世界中で活躍した一流のハープ職人でした。
過去にいくつも賞を取ってきたラファエルは、あるときシュタイナー小学校(北米ではウォルドルフ小学校)の音楽教育用に、小さなハープを考案しました。それがリトルミンストレルです。
丁寧な造形と美しい音色のリトルミンストレルは、子どもたちだけでなく大人たちをも魅了してきましたが、残念ながらラファエルは高齢のため、2010年の夏に工房を閉鎖してしまいました。ラファエル本人の製作するリトルミンストレルは、この時点で歴史を閉じました。
2011年の春に、ハープ職人のテリー・チャスティンが二代目の工房主として迎えられ、楽器の製作を再開しました。
ワイズマンに劣らず長く楽器製作に携わってきたテリーの腕は確かなものです。設計図と工具と製作ノウハウを完璧に継承したテリーが製作する楽器は、ワイズマンの作品と見分けがつきません。
ワイズマンの時代から人気のあった小型ハープなど一部のモデルについて、テリーは製作します。もちろんリトルミンストレルとキンダーハープも、です。
復刻版リトルミンストレルで即興演奏してみました↓
製作: ハープス・オブ・ロリエン(北米)
.